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接し方のヒント INDEX

人との接し方のコツや状況を変える手段を紹介します。

NO,022 自分の考えが理解されないのはなぜか その4
NO,023 いくら言っても改善されない人には
NO,024 矛盾した前置きの効果
NO,025 まず自分で出来る事
NO,026 自分の苦労が報われない
NO,027 反感を買っている?
NO,028 効果のある注意の仕方
NO,029 頼みごとの成否 その1
NO,030 頼みごとの成否 その2
NO,031 頼みごとの成否 その3
NO,032 頼みごとの成否 その4






NO,022 自分の考えが理解されないのはなぜか その4


理解してもらう以前に、考えた事がきちんと相手に伝わっているの
でしょうか。この”きちんと”というのは、あなたのその結論に至
るまでの過程を理解
できるくらいということです。

当たり前の事ですが、あなたと相手とでは別の人格を持っているた
め、考え方、考える際の手順が全く違います。何を分かりきった事
をと思うでしょうが、多くの人が忘れてしまっているように感じま
す。

また、自分は十分考えてのことで重要度が高いのは当然です。その
ため伝えたい、理解してほしいという気持ちが先走っているのでは
ありませんか?

その問題に対する相手の理解度が、その域まで達していないかもし
れない、と立ち止まって考える事をお勧めします。

結果報告にしろ、相談にしろ簡潔にその考えの経緯を同じようにた
どらせ
、相手にも理解を深める機会を与える必要があるのです。






NO,023 いくら言っても改善されない人には


考えや行動に対して反対される事ばかりで、自分を守る為に精神的
な守りが固くなっている人なのでしょう。

耳を閉ざしてしまっている、と言っても過言ではないかもしれま
せん。

例えばこのような人が、筋違いな意見や間違った行動に対して、弁
解をしたとします。そこで、運良くアドバイスできそうな流れにな
ってきた場合でも、いきなり核心を突いて「そうじゃないんだよ」
と教えたい所をグッと我慢し、まず共感する必要があるのです。

たとえ共感し難いことであっても、その事実があったことは認めて
下さい。

その人自身がそう感じた、それで良いと思ったという事実は存在す
るのですから。「そうだねぇ。」や「そうなんだぁ。」などの相槌
を打てば良いと思います。

間髪入れずに「それは違うよ。」と決していわないで下さいね。

場合によっては労いや同情を示す必要もあるかもしれません。そう
する事でその人の心を解きほぐし、次の言葉を聞きいれてもらいや
すくする準備
になりますから。

初めに反論してしまっては、その後の話は聞いて貰えないでしょう。
たとえ聞いてくれたとしても、充分に話が伝わらないのは確実です。

初めの共感が肝心なのです。ここで相手との距離を縮める事が出
来れば、確実に伝わり、変化がある事は間違いありません。

話を聞ける態勢を話し手が作るのは、受け手に理解してもらう上で、
とても重要な手段です。






NO,024 矛盾した前置きの効果


NO,003で紹介した、 相手が言いそうな事を前もって言うという技
術は「自分も共感していますよ。」と伝え、敵意を排除し、説得し
やすくする為のもの
です。たとえ最終的には矛盾した意見を言うつ
もりであっても、です。

ただし、これは相手がそんな事を思ってないようだと、逆効果にな
りかねません。余計な考えを植え付け、あだになってしまうので
す。状況を見据えて、使えるかどうか判断に気を配る必要がありま
す。

また、ひとつの説明が目立ちすぎる為に、または分かりきった事で
ある為に、前置きを付けたり、本当の理由を理解してもらおうと思
っても効果が今ひとつ出ない場合があります。

そんな時は、対象をバランスよく評価する事が有効です。例えば、
現実に短所と思える側面を指摘するなら、長所にも併せて触れる方
が、説得力がグッと増します。矛盾した前置きもある意味当てはま
るかもしれません。

バランスよく評価するというのは、説得や理解を得る為に使うだけ
でなく常に心がけたいことです。誤った解釈を防ぐ事にも役立つ
からです。

どんな事に対しても、肯定的側面と否定的側面を見つけられれば説
得されないように抵抗力を付けるのにも使えます。






NO,025 まず自分で出来る事


送ったつもりのメッセージと、随分違った受け取り方をされる事が
あります。自分の意志が正確に伝わっていないという証拠です。

今まで紹介し、これからも紹介するであろう方法を習得する前に、
とても重要な事があります。

自分の語彙を増やし、自在に使えるようにしておく事です。

言葉はたくさん知っていて選べる方が良いと思いませんか?自分の
意図する事を正確に伝える確率が、グンと高くなるからです。

(あくまでも確率です。中には理解力の乏しい方もいますし、言葉
を尽くしても伝わらない場合もあります。)

逆に、相手の意図も正確に受け取れる力も備わります。相手の言
葉の足りない部分を補い、誤解を避ける事も出来ます。(私はこち
らの方が重要だと思います。)話の筋とは違う意味でその言葉が使
われているのかもしれませんから。

適切な言葉を適切なタイミングで言えれば、誤解が生じるのを減ら
す事が出来ます。人間関係の障害は、言葉が足りなかった為に起き
ている事がとても多いと思うのです。

では具体的にどうすれば語彙が増えるのでしょうか。

よく耳にするのが本を読みなさいという事です。でも、それよりも
もっと効果の高い方法があります。それは、文章を書くことです。

実際に使う立場にならないと、使える言葉は増えません。






NO,026 自分の苦労が報われない


人の為に何かをしても、期待した結果を得られない場合があります。

具体的に言うなら、こちらは感謝や労いを期待するのですが、実際
ちっとも役に立っていなかったり、「余計な事を。」と逆に相手に
責められてしまったり。

そんな時、正直どんな風に思いますか?

せっかく私が苦労して…、というような怒りや恨みに似た感情が一
瞬でも湧き上がったのではないでしょうか。

相手に対する思いやりから行動したのであれば、どのような結果に
なっても、それほど怒ったり恨んだりはしないはずです。

相手を喜ばす事、気に入られる事を期待して、相手に感謝されない
場合に、人は怒ったり恨んだりしないと気持ちが治まらないのでは
ないでしょうか。

そんなストレスを感じた時には、感謝を期待する自分があったの
ではないかと見つめ直す必要があります。

それでもあなたは「自分の苦労が報われない。」と言えますか?






NO,027 反感を買っている?


「自分の発言は絶対だ。」というような姿勢で発言する人がいます。

いえ、本人は無意識の場合が多いのですが、受け取る側がそう感じ
てしまう、というのが実際かもしれません。だからこそ悪循環にな
りやすく難しい問題なのですが…。

どちらにしろ言われた側が良い気持ちはしませんから、その人の弱
点といいますか、アラを探し始めます。するとこれでもかというく
らい出てくるのです。

恐ろしい事に最悪の場合ですと、誹謗中傷まで出てくる始末です。

そのうち何が正しいではなく、誰が正しいのかという話になります。
当然悪いのは相手という事ですよね。

双方が対立する関係になってしまい、お互いが言われた事を素直に
聞く気持ちになれません。どんなに正しい事を言っても、その人の
発言という事で聞く耳すら持ってもらえなくなります。

ますます関係は悪化するでしょう。

少しでも心当たりがあって、修復したいと思うなら、言いたい内容
の前にひとことふたことの前置きをするだけで、穏やかに進めら
れるし、きちんと話を聞いてもらえるようになります。

それから人づての注意や要望はいけません。あなたの発言を和らげ
前置きを言っても、省かれる恐れがありますので。






NO,028 効果のある注意の仕方

「何度も同じ注意をさせる奴等で困るよ。」とか、「重要な問題な
のに無関心な奴ばかりで自分だけが苦労してる。」という意味の発
言を聞く事があります。

実は、本当に苦労しているのはあなただけではないのです。少し考
えてみて下さい。自分にも問題がないかどうかを。

大抵の事柄は、こちらのアクション次第でリアクションが決まるの
ですから。

そこで考えられる事といえば、すべての事を同じ強さで指摘して
いないだろうか、と言う事です。

あなたにとって重要な事と、事のついでに言った事の区別がつきに
くく、受け手は言われる事に慣れてウンザリしてしまっている状態
なのです。

では、どうすれば良いのでしょうか。いくつかありますが、いろい
ろ試して頂きたいと思います。

同じ言葉を繰り返し使わない。理由はその言葉に慣れてしまうの
を防ぐためです。

良い所、出来ている所ははっきり誉めてから、悪い所、改善して
ほしい所を注意する。

この時、どうすれば良かったか、良くなるのかも伝える

強弱をつける。何も声の大きさではありません。口調に変化をつ
ける
のです。






NO,029 頼みごとの成否 その1


頼みごとはアプローチの仕方で成否が決まります。

ひとくちに頼みごとと言っても、いくつかの要素の上に成り立って
いるのです。成否を分けるポイントをあげますので、頼みごとがあ
まり得意ではない、聞いてもらえないと思う人は当てはめてみて下
さい。

まず、頼みごとが正当であるかどうかです。

本当は自分でやるべき事ではありませんか?または、自分がやって
も良い事ではありませんか?自分本意で物事を考えがちな人は、こ
の、自分がやっても良い事まで人に頼む傾向があります。

たとえば頼む理由に、「自分は忙しく大変だから。」というのがあ
るかもしれません。でも忙しい、大変という主観的な理由では他人
はなかなか理解できないでしょう。職場でそうそう暇な人はいない
はずですから。

そこで、なぜ忙しく大変なのかという理由を具体的に言う事で、代
わりにやってもらう理由が理解してもらえるのではないでしょうか。

何でも自分でやれといってる訳ではありません。その頼みごとをや
ってもらう代わりに、自分は何をするのか?を問いたいのです。

言われた方は必ずそう考えている事でしょう。だから、頼みごとと
その代わりにやる事を天秤にかけて、同等もしくは、あなたが代
わりにやる事が重ければ
すんなり受けてもらえるはずです。






NO,030 頼みごとの成否 その2


次に気をつける事は、言葉の順序です。

この順序を間違えると相手に不快感を与えたり、場合によっては聞
いてもらえる事も聞いてもらえなくなる可能性があります。

(自覚するのは難しいかもしれませんが)頼みごとが多い人は特に
注意して下さい。不快感が度重なり、不信感を与え聞いてもらえ
なくなる事を。

そればかりか、普段の関係にも支障が出てくる事でしょう。

では、言葉の順序です。聞き手の注意をどちらに向けた言い方であ
るかどうかがポイントになります。

「○○をやってくれる?」や、「○○出来る?」という言い方で始
めるのもひとつの方法でしょう。この疑問形にする事で相手に選
択の余地を与える
形になり、さらに頼みを聞きやすくする二重の
効果があります。

あなた本意の理由を初めに持ってくるのは得策ではない、というの
はもうお分かりかと思います。ただし、あなた本意であってもその
必要性が明らかであれば逆に有効な手段になります。

例えば物理的に難しい、または、同情をひくというのも使えるかも
しれませんね。






NO,031 頼みごとの成否 その3


頼む際の居合わせる人数

結論としては、多ければ多いほど必要な助けは得られません。責任
が拡散するので、一人が感じる責任が小さくなるからです。「誰か
○○してくれない?」というような頼み方がそれです。

そこで有効な手段は、視線を合わせる事がまず第一にあげられま
す。相手はもう匿名の誰かではなくなっているからです。漠然と助
けを求めるよりは、具体的に頼む方が良いのです。

また、聞いた事があるのではないでしょうか。事件、事故に遭遇し
た場合です。

「助けて!」と言われても、大抵の人がとっさには動けないといい
ます。助けたいと思っていても、おそらく頭がはっきり働いていな
いのでしょう。

そんな時は「救急車を呼んで!」や「あの男を捕まえて!」などと
頼みを具体的に言えば、聞きいれてもらいやすいのです。その状
況を想像してみると、確かにそう言ってもらった方が動きやすいで
すよね。

日常の頼み方も同じです。

ただ漠然と「コレ手伝ってくれる?」と言われても「いったい何を
どこまで?」と、予測がつかず不安にもなりかねません。具体的
に言ってもらえれば、安心して引き受ける事が可能でしょう。

逆に人が多いのを利用する事も出来ます。

そのやり取りを人が見ていた場合、結果に違いが出てくるという事
です。周りの人間が証人になる事で、やり遂げなくてはという意
識が生まれるからです。






NO,032 頼みごとの成否 その4


最後に重要であるのは、頼みごとは相手を選ぶ必要がある事です。

その内容によって誰が適しているか、判断しなければなりません。
同じ事を頼んでも、誰に頼むかによって得られる結果が変わる
という事を理解している必要があるのです。

もしあなたが上に立つ人間であれば、必要であり重要なことだと思
いませんか?

その判断が正しいものであれば、他者の資質を理解していると言え
る訳で、自然とその人に適した頼み方も出来る事でしょう。

また、家庭内においてもこれは重要なことです。

特に共働きである場合、何を頼めて何を頼まない方が良いのか、自
分がやった方が良いのか把握している事が大切だと思います。もち
ろん子供に対しても同じ事が言えます。

それら判断の正さが、あなたの精神的な成熟の基準になるのではな
いでしょうか。



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