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接し方のヒント INDEX

人との接し方のコツや状況を変える手段を紹介します。

NO,033 期待通りの答えを引き出す
NO,034 頼みごとをするタイミング
NO,035 気持ち良く引き受けてもらうには
NO,036 二枚舌 問題編
NO,037 二枚舌 解決編
NO,038 批判に対する反応
NO,039 批判は誉め言葉で包む
NO,040 心遣いの言葉は
NO,041 他人の言動を引き合いに
NO,042 違いを意識させる方法で






NO,033 期待通りの答えを引き出す


人はある程度答えを期待して質問をしています。

それが自分の思い通りでないとがっかりしたり、不愉快になったり
します。そうならないためには、質問の仕方を工夫する必要がある
のです。

まずしっかり覚えて欲しいのが、人間は一番楽なやり方で状況に
対応したがる
という点です。これを利用できると、かなり思い通り
の答えが手に入るでしょう。

そこで登場するのが、選択肢を設定した質問です。

選択の幅が限られていたら、その範囲を超える事は滅多にありませ
ん。大部分をあなたが決めている訳ですが、相手にも決定権を与え
る事により自尊心を高め満足する結果に落ち着きやすいのです。
自分が決定した仕事は、指図されたものより責任を持って出来るの
です。

自分が楽をして漠然とした質問をすると、どうなるのでしょうか。

期待する答えが返ってくる可能性は、まずありません。選択肢が無
限にある場合、どれかに決めるのはなかなか難しい事ですし、時に
よっては相手の負担になってしまうでしょう。

例えば「なに食べるぅ?」と聞かれて困ったりしませんか?自分の
食べたいものをパッと言えますか?

大抵の人は質問した相手や、周りの意見が気になる事と思います。
どんな答えなら受け入れられるのだろうと、身構えて答えられない
のかもしれません。自分が何か意見して、しら〜っとなったら困り
ますからね。

そのよう状況を防ぐためにも、この方法が有効なのです。






NO,034 頼みごとをするタイミング


どの時期に言われると聞き入れやすいのでしょうか。結論から言え
ば、言いにくい頼みごと程早い時期に言うのがベストです。

私が休日出勤を頼まれた時の事です。早い時期に言われた場合は、
プラスのイメージが優勢になります。「稼ぎが増えるからいいかな
ぁ。」「ここで恩を売っておけば、休みやすくなるかも。」と、単
純に思ったりするので、引き受ける気持ちになりやすい。

「まだ先の事だ。」と楽天的に思う訳です。

そのうち時間が経つと逆にマイナスのイメージが出てきます。「良
く考えたらちょっとしんどいなぁ。」「ほんとはやりたい事があっ
たんだっけ。」と、引き受けた事を後悔したりもする。

でも一度引き受けた事を撤回するような事はしません。信用をなく
したくない
のでそんな顔は見せないのです。

そして当日の心境といえば、また最初に浮かべたプラスのイメージ
で迎え、苦痛ではなくなっているのです。

では直前に言われた時はどうでしょうか。

その場合はマイナスのイメージが優勢になり、なかった予定を作っ
てしまう事でしょう。皆さんも心当たりありませんか?






NO,035 気持ち良く引き受けてもらうには


頼みごとを喜んで引き受けてもらえれば、どんなにいいでしょか。
出来栄えだって、しぶしぶやってもらうよりずっと良くなりそうで
すよね。

これを可能にするには下ごしらえが少し必要になります。前もって
頼みごとを聞き入れやすい状態にしておくのです。「○○に関して
の知識はすごいね。」「○○やるのがすごく早いね。」というよう
に誉めておきます。

(そんな事言える相手ではない、とか、なんでそこまで…、わざと
らしくてちょっと…、なんて言わずにやって下さい。これを機にぜ
ひ誉め上手になってはいかがでしょうか。これはあなたの為でもあ
るし、相手を含め周りの為になる事です。とにかく何でも良いから
実践して下さいね。)

すると相手は嬉しく思うと同時に、その好印象を保とうと努めま
。実際にそうでなくても、(全く違う場合は無理が生じますが)
事ある毎に言っていると、その言葉の通りの人だんだんと変わりま
す。

期待に添うように振る舞う内に、それが本物になってくるのでし
ょう。

こちらが頼まなくても進んでやってくれるぐらいに進歩することも
あるのです。そうなればグッと頼みやすくなりまよすね。

但し、頼みごとがあるから誉めるというのが明白になっては、警戒
されたり反発される恐れもあるので、さりげなくやるのが大事です。






NO,036 二枚舌 問題編


自分が矛盾した願いを言っていないかどうか、考えたことがありま
すか?

この現象について知っている私でさえも、思ってしまうことがあり
ます。どういう結果になるかを考えれば、口にすることもないので
すが…。

会社の中などで上司がこんな言動をとっていないでしょうか。「何
かあったらすぐ報告するように。」と言っておいて「そんなことい
ちいち言いにくるな。」だったり、

「自分で考えてやってごらん。」と言われたのでそうすると「何で
そんなことしたの?」とくる。

報告しても不満だし、しなくても不満なのです。

これら対の言葉の間に時間が挟まると、二枚舌的な言動をしている
のに本人はなかなか気づきません。

言われる方は「いったいどうすりゃいいんだ。」「あいつは何をし
ても駄目なんだ。」という評価をすることでしょう。






NO,037 二枚舌 解決編


どちらか一方だけとはいかないものです。それは皆さんもお分かり
の事と思います。そうです、どちらの依頼も本当だったのでしょう。

矛盾しやすい願いも秤に掛ければどちらが重いか分かりますよね。
それを相手にも分かってもらえるように、言葉を補足するのです。

「考えれば分かるだろ。」と突き放してはいけません。分からない
からこういう事になってしまうのではありませんか?「○○の場合
はこうしてくれ。」と補足する必要があるのです。

では、一度出してしまった発言はどのように修正すれば良いのでし
ょうか。

1.初めに頼んだのは自分だと認め、
2.次に頼みを聞きいれた相手に感謝し、そして、
3.これからについての希望を述べます。

重要なのは三番目のこれからどうすれば良いのかです。これがあれ
ばお互い不快になることはなくなることでしょう。






NO,038 批判に対する反応


他人の行動を見て、「こうした方が良いんじゃないか。」「このや
り方はあまり良くないね。」とアドバイスしたくなる場合があるこ
とと思います。

でも相手のリアクションを想像すると、実際には言えない、または、
言いづらいことが多いのではないでしょうか。言わなくて済むなら
それに越したことはないのですが、仕事をする上ではそうも言って
られない場合もあります。

素直に聞き入れてくれる人ばかりではないですから、よほど上手く
言わないと、逆効果になりかねないですよね。「何を偉そうに。」
と、反発されたり、「自分は間違っていない。」と、かたくなに
させたり。こうなってしまうともうあなたの善意は受け止めても
らえない
でしょう。

それより問題なのが、過剰に反応するタイプです。

自分には出来ない、向いてないことなんだと、勝手に諦めてしまう。
これもまた、前向きな変化は望めないのではないでしょうか。

これらを回避する方法を知る前に、言われた方の反応をいくつか想
像し、改めて認識してみて下さい。

補足:批判

読んで字のごとく批評して判断することだが、現在では否定的な意
味に使われることが多い。しかしここで言う批判は本来の意味であ
る、良いことも悪いことも含めていることを補足する。






NO,039 批判は誉め言葉で包む


批判の言葉とは、大抵が言われた相手にとって厳しい言葉である場
合が多いのではないでしょうか。

自分のためになると心のどかかで分かっていても、そう素直に聞
き入れるには辛い、という気持ちを想像してみましょう。

他人は強いように見えても、やはり自分と同じように、決してそう
ではありません。ですから、それを和らげる言葉を先に言えば聞
き入れやすく、困った行動やより良い変化を、促す事が出来るので
はないでしょうか。

具体的にどういう事かといえば、誉める部分や認める部分をはっき
りと口にする
事です。

「ここを直せ。」という前に、誉め言葉を持ってくるのです。「こ
この部分は良くできてる。でもこれを少し直せるかな。」と、その
場面に適した誉め言葉というのが、いくらでもある事と思います。

それからもう一つ、批判も前向きな言葉を使って表現できれば、
さらに効果は上がります。

なぜなら、悪いものを良くするより、良いものを良くする方が手
間が掛からない
ように感じるからです。

「ここの部分はよく出来てる。こっちに少し手を加えればもっと良
いものになるよね。」と同意を求める言い方もとても有効です。






NO,040 心遣いの言葉は


ある人物に対して、ライバルより一つ上の付き合いをしたいと相談
を受けました。

今までを振り返ってみると、良くない関係を改善する事に着目して
書いてきた傾向がありますが、もちろんこれらは良い関係を、もし
くは良くも悪くもない関係を、より良くする方法にも使えます。ど
ちらかといえば今回の方が、効果は上がりやすいでしょう。

なぜなら良い関係が出来ているということは、既に相手もこちらに
好意がある訳ですし、良くも悪くもないのであれば、これからの行
動次第で、どうとでもなれる状態にあると言えるからです。

今回は、あれこれ心遣いの言葉を意識して言うように勧めました。
感謝する、労をねぎらう、大事にもてなす、やさしく慰める
ど、相手を良く見て、時と場合により適切に使いわける注意が大切
な技術です。

心理的に成長している人にとっては簡単な事でしょう。でももし自
分がそこまで達していないと感じるなら、まずは相手が今どんな状
態にあるかを見て、どんな心理状態かを想像して下さい。

想像したことに自信がもてない場合は、そんな時自分ならどう言っ
て欲しいか
を考えれば、分かることだと思います。






NO,041 他人の言動を引き合いに


あなたの周りにも、こんな人はいませんか?

プライドが高いのか、注意やアドバイスをすると、ふてくされてし
まう人。または注意などに過剰に反応し、それ以外の事でも自信を
無くしてしまう人。こんな人や、
NO,039 で紹介した方法が難
しい場合は、この方法が効果的です。

同じ行動をする人を引き合いに出して、問題ある言動を客観的に
見つめさせる
のです。第三者の言動であれば、自分は傷つかない
し、冷静に見る事が出来ます。

本当はAさんに「接客態度が悪い。」と言いたい所を、同じような
行動をした人を話題にして注意を促すのです。

「この間買物に行ったら店員が無愛想で、頭に来たよ。接客が仕事
なんだから、おまたせいたしました、ぐらいは言えないとねぇ。A
さんもそういう経験ない?」

大抵の人は、人の振り見て我が振り…の言葉通り改善される事と思
います。

でももしAさんがそう思った事がないとか、その店員を庇うような
発言をしたとしても、構わないのです。Aさんの接客に対する考え
や、なぜきちんと話せないかが分かってきますから。

できれば、それを引き出してほしいのです。

これを糸口にこの人には、どういった指導が必要なのか掴めるは
ずです。それを的確に捉えず、むやみに指導してても効果は上がり
ません。






NO,042 違いを意識させる方法で


前回紹介した、他人の言動を引き合いに出して、間接的な注意をし
ても、効果のない人がいます。自分との事に置き換えて考えない為
か、気づかないのです。

ではこんな方法はいかがでしょうか。

みんなとのやり方や考え方と、あなたのそれとは違うので、間違っ
ているのではないか?と、問う批判の仕方です。

多くの人はみんなと同じという事に、安心するのではないでしょう
か。それが必ずしも正しいとは限りませんが、実際はそうだと思い
ます。

自分だけ違う事に気づくと、穏やかではいられないはずです。そ
の為、みんなと同じになるように努める事と思います。

「そういう考え方も以前はあったけど、今ではみんなこうだよ。」
「へぇ、○○さんはそうするんだ。ここでは大抵の人がこうするみ
たいだけどね。」と、最終的な判断は相手に委ね、決める余地を与
える言い方です。

それでも駄目な場合は、「ここではそういう事(ルール)になって
いる。」「この間みんなでそうしようと、話をしたから協力してく
れないか。」というアプローチの仕方があります。

但しこのアプローチは、その内容や相手によっては反発があります
ので、言う前に納得できるような理由を用意する必要があるかも
知れません。



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