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接し方のヒント INDEX

人との接し方のコツや状況を変える手段を紹介します。

NO,043 本当に聞きたい事は得られない質問の仕方
NO,044 それは本当に要求ですか?
NO,045 本当に聞きたい事が得られる質問の仕方
NO,046 こんな時に比較は役立つ
NO,047 否定的な返事には
NO,048 オープンエンドの質問で有益な情報を
NO,049 どのような質問の仕方でも
NO,050 他人の言動を引き合いに その2
NO,051 結論だけを話していませんか?






NO,043 本当に聞きたい事は得られない質問の仕方


「はい」「いいえ」で答えられる質問では、本当に欲しい情報は得
られません。なぜかと言うと、その質問の仕方では答えが決まって
いるようなものだからです。それは、質問を質問として受け取って
もらえない場合があるからです。

「○○って嫌いなんだよね、あなたは?」と聞かれて、どちらかと
言えば、賛同的な答えをしていませんか?相手との関係にもよりま
すが「いや、私は好きだよ。」とは答えにくいのではないでしょう
か。

「この方法で良いんだよね。」とくれば「そうだね。」の方が言い
やすいですよね。「良くない。」と言って、気まずくなるのを避け
る気持ちがあるのかもしれません。

どちらにせよ本音が言いにくくなるというのは、皆さんも心当たり
があると思います。

でも相手は、それがあなたの正直な気持ちや意見なのだと思って
しまうのです。その情報を元に対応をするのは当然の事ですが。

この質問の仕方では、本当に聞きたい答えを得るのが難しい事、逆
に相手の答えは本心ではないかもしれない事を覚えて下さい。

これを知っていると人間関係の誤解はグッと減ります。分かってい
る、察するという事が出来るのですから、有利になりますよね。

ではいったいどのように質問すれば良いのでしょうか。今まで紹介
してきた中にヒントがありますが、詳しくは次回。






NO,044 それは本当に要求ですか?


前回紹介したタイプの質問には、他にも弊害がありましたので今回
はそちらを。それは、このタイプの質問を、質問としてではなく
と受け取る人がいる事です。

そして意見を押し付けられたと思ったり、中には命令されたと思う
人もいます。人に嫌われるのが、とても恐い人や気が弱い人に多い
ようです。

それ以外の人でも言われた方はよほどの事がない限り、賛同的な答
えで応えようとします。やはり人には良く思われたいですし、その
方が良いと肌で感じるからです。

本当は「いいえ」なのに相手に合わせてしまう。だから、ストレス
になってしまうのです。要求だと思い込んでしまう為に、不満が生
じるのです。

ですから、質問を質問として受け取れば、問題はないのです。質問
として受け取れば、どちらでも選べるはずです。ここには何の問題
も発生しないのです。

確かに要求的性質に比重の置かれた質問、問いかけを多く使う人が
います。「○○やってよ。」と言うより「○○やってくれる?」に、
した方が柔らかい印象を与えますし、以前テクニックとして紹介も
している通りです。

でもその場合は区別がつくのではないでしょうか。その人の表情や
その時の状況
を察する事が出来るのなら。

そうなのです、結局は受け手の判断次第なのです。ですから問いか
け方に工夫をする必要があるのです。






NO,045 本当に聞きたい事が得られる質問の仕方


前回、前々回と「はい」「いいえ」で答えられる質問では、本当の
答えが得られない理由を紹介しました。これで皆さんも、このタイ
プの質問から誤解が生じる事をご理解いただけたと思います。

そこで今回は、その代わりにどのように質問したら良いのかを紹介
します。今までも何回か登場している選択肢を与える質問です。

聞きたい事が得られなかった、本当の答えではなかった結果として、
言った言わないでもめるというケースがあります。よく考えてみる
と「はい」「いいえ」で答えられる質問であったが多いのです。

なぜなら、簡単に答えられる質問であるだけに、簡単に忘れてしま
事があるからです。

一方、選択肢を与えられると自分に決定権があるので、真面目に考
えます。真面目に考えたやり取りを忘れるという事は、あまりあり
ませんよね。また、本当の答えである可能性も上がります。

もう一つの方法は質問に比較の基準を入れる事です。

他人の話を勝手に自分と同じものさしで受け取っていませんか?
相手から得られる答えは何を基準にして出されたものなのか、本当
に理解していますか?。たぶん相手とあなたでは基準にしているモ
ノが違うはずです。

このズレをなくす為に、お互いに判断のつく比較を求める必要があ
るのです。

例えば「AとBを比べたらどちらが適切な方法ですか?」「その評
価は○○より上という事ですか?」など、このように質問をすれば
共通の土台が明白な為、より確かな情報を得られる事は間違いあ
りません。






NO,046 こんな時に比較は役立つ

大げさに誉める人・むやみにけなす人に

皆さんの周りにも程度の差こそあれ、思い当たる人がいるかと思い
ます。仕事をしていると、このような人からも意見を聞いたり、指
示を仰がなければならない場合もある事でしょう。

ですが、彼らの絶対的判断では当てにならないのですから、前回
紹介した比較の基準を含めた質問が大変有効になります。

相手の評価の基準が明らかになれば、大げさな誉め言葉に騙され
たり、厳しすぎる批判にむやみに落ち込んだりする事がなくなる
のです。


友人や世間一般の話を聞く時

人の持ち物や意見が気になるというのは、日常茶飯事の事だと思い
ます。そこで相手の話が、自分と同じ基準で話されているのか知る
為に必要なのです。

例えばパソコンです。話をしてくれた人にとってのパソコンライフ
が、その人にとって欠かす事の出来ない、上位に位置づけられてい
るものなのか。それとも、家族が使うばかりで自分ではたまにしか
触らないというものなのか。

その背景や価値観が自分と同じでなければ、参考にならないから
です。

価値観の違う相手や、それこそ何を基準にされているかさっぱり判
らない世間一般の話に対して、羨み不満に思うのはどうかと思うの
です。






NO,047 否定的な返事には


誰かのお誘いを受ける、相手の得意なものに対して正直な感想を求
められるなどで、時には否定的な返事をしたい場合があります。
タイプでない異性からの誘い、まだまだ未熟だと言わざるを得ない
作品など、似たような経験があなたにもある事と思います。

その相手が金輪際付き合いたくない、というのであれば簡単です。
その言葉によって、相手が離れてしまっても問題ないのですから。
しかし、そう白黒つけられる事ばかりではないのが現実です。

一対一では正直言って付き合いたくないのだが、友達として、大勢
の中の一人として付き合う分には構わない。また、特に上手くもな
い作品に対して称賛するのは、自分の感覚を疑われるので嫌だが、
付き合い自体は続けたい相手であったり、付き合いの避けられない
相手なので、正直に言ってくれと言われても、気まずくはなりたく
ない。

これらの考えの前提に、相手を傷付けたくないという思いがあり
ます。そこで本心とは少しズレた返事をする事になるのです。正直
に言った方が本人の為になると思っても、なかなか言えるものでは
ありません。

こんな時には、その質問に直接答えず逃げましょう

「じゃぁ、○○も誘おう。」や「こっちの方が良い(向いている)
と思うよ。」という感じで、こちらから提案する形をとれば良いの
です。その質問に逃げた事で、答えなかった事で相手は理解してく
れるでしょう。いや、そう願いたい…ですね。(通用しない人も稀
にいますが。)

逆に、もしあなたが質問する立場で、相手の正直な気持ちを聞きた
いのであれば、逃げ道を用意してあげましょう。そうでなければ、
相手が正直に答えにくい質問をしてはいけません。自分が同じ質問
された場合を考えればわかる事ですよね。

ここでもやはり選択肢のある質問にすれば良いのです。何度か似た
ような質問をして、自分の期待した答えが得られなければ、蛇足な
がら諦める事も肝心だと付け加えさせて頂きます。






NO,048 オープンエンドの質問で有益な情報を

「この仕事はどうやったら良いのでしょうか。」と質問し、聞いた
相手によってやり方が違って混乱したり、ある人に教えてもらった
方法では、他の人に怒られた、そんな経験はありませんか?

同じ質問をしても、誰に聞くかによって違う答えが返ってくる場
合があります。なぜなのでしょうか。

それは、この「良い」の基準は人それぞれだからです。

同じ作業をさせても、速さを優先させる人、仕上がりを優先させる
人、状況や相手に合わせて変化をつける人など様々です。

例えばあなたが色々なやり方を知っている場合には、以前紹介した
選択を課す質問を使えますが、注意する事が一つあります。やは
り「どの方法が良いですか?」と聞くべきではない事です。

先ほども言ったように、人によって「良い」の基準が違いますから、
あなたが何を優先させたいかを、質問に盛り込む必要があるでしょ
う。そうしないとあなたの欲しい情報は手に入りません。

質問の仕方が悪いのに、望む情報が入らないからと相手にケチをつ
けるのは間違いです。

では、選択肢を用意できるほど方法を知らない場合は、どうしたら
良いのでしょうか。そこで登場するのがオープンエンドの質問です。
つまり、回答に最小限の制約をつけるのです。

「これを速く終わらせる為にはどんな方法がありますか?」「これ
をきれいに仕上げるにはどんな方法がありますか?」など、あなた
の欲しい情報が手に入りやすいように、質問を使い分ければ良いの
です。

まぁ、仕事の基本はすばやくきれいにですが、臨機応変を迫られる
のも、仕事の常ですからね。

これらの事を改めて紹介しなくても、皆さんも既にその時々で使い
分けていると思います。ただし、これからは知っているだけでなく
意識して質問を使い分け、的確な答えを得られ事を願います。






NO,049 どのような質問の仕方でも


相手の希望を叶えたくて、質問するという事があります。でも、そ
の答えの通りにやってあげたのに満足して貰えなかった。そんな経
験はありませんか?

聞き手にしてみれば、「だからさっき聞いたのに…。」「なんであ
の時言ってくれないの?」という事になり、喜ばすどころかお互い
不機嫌になってしまったり。

世の中には主体性のない人がいます。自分の意思、要望が明確に
断する事が出来ない
のです。曖昧なまま、その場の流れで答えてし
まう傾向があり、先週紹介したオープンエンドの質問をされると煩
わしく「そんなの自分で決めてくれよ。」なんて思うのです。

だからといって、全てを他人に決められてしまうのも面白くありま
せん。自分が支配されてしまうような気になるからです。また、自
分で決めない事によって責任を逃れたいという気持ちも、あるのか
もしれません。

じゃぁどうすればいいんだ?という事になりますよね。それに対し
ては、どのような質問の仕方でも満足してくれない人がいるとい
う事を理解していれば良いと思います。そういう人もいるんだと解
っているだけで、気持ちはグッと軽くなるでしょう。

その理解の上で、相手に合わせた質問を使い分ける事が出来るなら、
どんな人とでも上手くいくでしょうし、仕事の上で人を管理するこ
との負担も、軽くなるのではないかと思います。






NO,050 他人の言動を引き合いに その2


自分のステップアップの為に、本当の事を教えて欲しいと思っても、
それが厳しい事や否定的な情報な場合、なかなか言ってもらえる事
ではありません。

聞き手を傷つけるのではないか、自分達の関係が気まずくなるので
はないか、あるいは、わざわざ波風を立てる必要はないと思うのか、
いずれにせよ、ためらう人が多いのではないでしょうか。

これらを回避し、正直な答えを得るには知りたい情報から距離を
置く
事が必要です。それには、
NO,041 他人の言動を引き合いに
を応用すれば良いのです。

その事を知りたいのは自分ではなく、第三者だと相手に思わせる
のです。相手は本当の聞き手であるあなたに気を使う必要はない
ので、正直な答えを言ってくれる事でしょう。

例えば「友達が○○についてアドバイスを求めてて…」と、自分が
教わるのではない、教える方にいるのだという事をアピールして、
その質問の内容と、あなたの気持ちとの関係に、目を向けさせない
ようにするのです。

あまりにも唐突であったり、察しの良い人が相手でなければ使える
のではないでしょうか。

ただし、どんな事を言われても受け入れる覚悟がある場合に限り
ますからね。





NO,051 結論だけを話していませんか?


自分の悩み、自分のアイディアを理解してもらえず、苛立った事は
ありませんか?そして、その原因は誰にあると思いますか?

「あの人に相談したのが間違いだった」「あんな奴に私の考えは分
からないのだ」と、原因は相手にあると思いますか?

それとも、「こんな事で悩んでいる私が悪いのだ」「私の考えは受
け入れて貰えないのだ」と、自分に原因があると思いますか?

そう思うのはどちらも間違いです。

なぜなら、あなたが話した内容は、きちんと相手に伝わってない
からです。伝わっていなければ、話していないのと同じだと思いま
せんか?では、なぜ伝わっていないのでしょうか。

それは、あなたが結論しか話していないからです。聞き手にはそ
の結論に至った背景が見えません。その考えに至った経緯が理解
できないのです。

あなた自身は時間をかけて悩み、考えましたから熟知しています。
いまさらその背景、経緯について順序立てて説明するまでもないと、
省いているのでしょう。

といっても、無意識にそう話しているはずなので、自分では気づか
ない事ではありますが。

ひとまずあなたの悩みは置き、聞き手の立場になった時の事を思い
出して下さい。一方的に話し込まれて「何の話をしているのだ?」
と、理解しにくかった経験はありませんか?

しかし「もっと分かりやすく言ってくれ」とは言いにくい雰囲気で
あったり、自分を賢く見せる為に質問できなかったりしていません
か?

これらの事を理解しているだけでも、相手に確実に伝わる確率が増
えますが、次回具体的な方法、注意する点を紹介します。



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